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信濃国でDX、自動翻訳技術とLLMで多言語観光案内を実現する
訪日観光客が増加している。昨今、多言語での案内体制や人材の不足、観光地域における歴史・文化資料の多言語化の遅れが課題だ。一般的な翻訳アプリや汎用AIチャットでは、地域固有の歴史・文化を背景にした話が難しく、誤訳や不自然な表現が魅力発信の妨げになる場合があるという。
DNPは、住民が地域のDX(デジタル転換)に参画するワークシェアモデルを事業化中で、この度NICTが推進する多言語自動翻訳技術の社会実装の取り組みの一環として、今月19日~23日に長野県(長野市・上田市・白馬村)で、多言語観光案内を実現する大規模言語モデル(観光LLM)と同技術を活用した実証を実施する。
①歴史・文化に強い多言語応答を実現する観光LLMの構築と性能検証、②実地検証による体験価値の評価、③住民共創型のデジタルワークシェアによる地域のDXと人材育成を実証の特長とする。LLM構築用のデータ整備には、地域住民36名が観光・歴史・文化資料のデータ整備業務に参画し、延べ約1,200時間のDX関連業務を地域内で創出した。
「DNPドキュメント構造化AIサービス(AI-Ready Data)」、上記自動翻訳技術、Preferred Networksの生成AI技術「PLaMo」を組み合わせ、各地域の文脈を踏まえた自然な表現での多言語案内の実現を目指す。住民が行政・企業と協働して各地域に特化した観光LLMを構築し、その歴史や文化を多様な言語で的確に発信ができるか検証する。
同LLMの構築プロセスとデータ整備手法を標準化し、2027年度以降に日本国内10地域での展開を目標とする。DNPは、今般得られる知見を訪日観光客の回遊性向上や延泊促進、地域文化のデジタルアーカイブ化などに活用し、地域全体の価値向上に貢献していく。地域のDXを推進するワークシェアモデル事業として、教育・文化・行政・防災など多分野への展開も進めるという。