治験関連文書は、作業効率化や紛失リスク低減などの観点からペーパーレス化が重要となっている。近年では治験文書管理システムを導入する医療機関が増加してきた。
国際競争力を強化するため、複数の医療機関で実施する臨床試験を1つの治験審査委員会(IRB)で審査する――シングルIRBの導入に向けた動きも活発化していて、治験文書管理の効率化は重要課題となっている。そのため、臨床試験現場では審議資料をより効率的かつ円滑に管理できるシステムの整備・運用体制の構築が求められているという。
DNPとシミックヘルスケアは、治験文書を統合的にデジタル管理するクラウドサービス「Clinical Trial Sync」を共同開発した。セキュアなデータ管理・システム構築・運用実績を持つ前者と、長年SMO(治験施設支援機関)として医療機関での臨床試験に携わり、幅広い支援経験と治験事務局支援に強みを持つ後者が、上記体制を構築するために、この治験文書クラウドサービスを形にした。
「Clinical Trial Sync」は治験実施医療機関、治験依頼者(製薬企業や開発業務受託機関であるCROなど)、IRBの間で行われる治験関連文書の作成、授受、保管、管理業務を効率化し、今後原則化が見込まれるシングルIRBの円滑な運営を実現する。
治験依頼者と医療機関、治験審査委員会など、利用者の使いやすさを追求し、関係者間のスムーズな連携を図ることで、治験の現場の要望に即したDXを具現化する。同サービスは、治験現場起点のワークフローで文書管理を効率化、トレーニング記録を一元管理、医療情報システムのガイドラインに準拠したセキュリティといった特長も備えているという。
両社は、製薬会社や治験実施医療機関等に向けて、今年7月に同サービスを開始。他システムとの連動も強化し、治験のスピードと品質を両立するプラットフォーム構築を視野に入れていく構えだ。