ある機械学習ツールで解析した自社の診療データは2017年8月より5年間の胃がん症例約28万5千。そのうち手術を受けた2万6千強から7日以内に死亡したり、18歳以下や100歳以上の症例であったりすることなどを除外した2万6097症例が対象にされたという。
MDVは12日、水戸済生会総合病院・消化器センター長兼筑波大学消化器外科講師の研究チームが同社の保有する国内最大規模の診療データをML:XG Boostで解析し、術後入院期間を誤差3日以内で予測するモデルを構築したことを発表した。
胃がん手術の入院期間にがん拠点病院であるかないかや、病院規模の大小などが関係していることが分かったという。今回、入院時の患者背景から相対的な重要度を算出し、入院期間に影響する因子を解明したことで、入院時の患者因子のみ用いることで手術後の入院期間を誤差3日以内で予測するモデルの構築につなげた。同モデルは、いずれベッドコントロールマネジメントへの応用も可能になる。
相対的な重要度の最も高かったのは、腹腔鏡下幽門側胃切除術だった。術式では開腹胃全摘も上位に位置した。その他に、「がん拠点病院の有無」「病院規模」の施設因子、「入院時ADLスコア」「認知症高齢者の日常生活自立度判定基準」「摂食・嚥下機能障害の有無」といった患者因子、さらには「糖尿病」「アルコール性肝炎」「脳梗塞後」「不安障害」といった併存疾患が上位の因子になったという。
研究グループの論文は今月、"Explainable machine learning for predicting postoperative length of stay after gastrectomy: a nationwide study using XGBoost and SHAP"として『Frontiers in Medical Technology』に掲載さ