ADASと統合型車載AIで幅広い車種をいっそう高度な自動運転へ

衝突回避などする先進運転支援システム(ADAS)はすべてのクルマに搭載して欲しい。レベル4自動運転につながるそれらのうち、高速道路で加減速や車線維持・変更、そして追い越しをアシストする機能はいま、安全性を高めるだけでなく、ドライバーの心に余裕と楽しみを与えてくれている。

2016年に「プロパイロット」を初めて市販車に搭載し、19年には高速道路の複数車線での運転支援と同一車線内でのハンズオフを可能とする「プロパイロット2.0」を実用化した。日産Wayveと10日、現在開発を進めている"次世代プロパイロット"についての協業契約を締結――これにより、ADASとポイント・ツー・ポイントの高度な自動運転を実現するとした。

最先端エンボディドAI技術を自動運転に適用したソフトウェア「Wayve AI Driver」と、自社のグラウンド・トゥルース・パーセプション技術を組み合わせた"次世代プロパイロット"開発試作車にて今年9月、市街地の複雑な道路環境でもスムーズかつ安全な運転支援を達成した。今後、自動車メーカーとして初めて幅広いセグメントの車種にWayveのAIシステムを大規模に導入する。

安全性を核に設計された同AIは、追加開発を最小限に抑えながら、新しい都市や車両プラットフォームへ効率的に適応できる。プロパイロットシリーズの多様なセンサー構成との組み合わせで、多彩な車種でインテリジェントな運転を具現化する。同ソフトウェアの技術を活用することで次世代プロパイロットシリーズの機能や利便性を一層向上させて、グローバルな市場に投入することで、広範な顧客ニーズに応えていく。

日産は27年度に次世代プロパイロット搭載モデルを国内で販売する予定だ。量産車へのシステム搭載により、両社は実世界の多様な走行条件から学び、継続的な改善を進めるとともに、日産の運転支援技術の長期的な競争力を強化するという。