設備の稼働状況や製品品質の把握に向けたIoT導入が進んでいる。多くの製造企業では機器が分散管理され、セキュリティ設定の不統一やソフトウェアの更新漏れといった課題が生じている。現場では、収集可能なデータを改善活動につなげ、品質・業務効率向上を推進する仕組みづくりが求められているという。
Idein(イデイン)とCTCは20日、製造業向けエッジAIソリューションの共同開発で業務提携した。製造ラインにおけるIoT機器の安全な管理と現場データの効果的な利用に寄与する、同ソリューションは、前者のエッジAIプラットフォーム「Actcast」と、後者のデータ活用伴走サービス「D-Native」を組み合わせ、工場内のデータの安全かつ効果的な活用をサポートするものだ。
各工場に分散するRaspberry Piなどの汎用デバイスをActcast上で一元管理し、設定変更やソフトウェアの更新を遠隔実施することで、セキュリティ強化と運用負荷の軽減を実現。D-Nativeによって、IoTセンサーから得られる温度・湿度・寸法・重量・エネルギー消費量など複数データの蓄積、可視化・分析を伴走支援することで、品質のばらつきや異常傾向などの早期把握、現場の業務改善につなげる。
作業の効率化や品質検査の自動化に向けた独自のアプリケーションをRaspberry Pi上で開発できる環境も提供する。後者がアプリ開発を後援することも可能で、現場主導の業務改善を支援するという。
これまで汎用的なIoT機器を用いた体温検知AIデバイスや、エッジAIで映像解析する製造業・リテール向けソリューションを共同開発してきた。両社は今後も協業を進め、センシングやAIを活用して塗装・組み立て機械をはじめとする産業用ロボットの制御にもエッジコンピューティングソリューションを拡充し、製造業を中心とする顧客のDXに貢献していく構えだ。