
生成AIの活用が進展している。昨今、自社の機密情報や業務データなどを安全に扱える環境――専用AI基盤へのニーズが高まっているが、オンプレミスAI基盤の構築には、大量のGPUサーバや周辺機器の調達・構築・保守運用にかかる費用や人員の確保等、多くの投資を要する場合があるという。
CTCは20日、AIエージェントの自社開発を目指す企業などに向けて、機密データを安全に活用できる生成AI基盤サービス「CUVIC GPU Zero」の提供を開始した。閉域網によるセキュアなオンプレミス環境を構築し、運用込みのフルマネージド型として提供する同サービスは、顧客が自社データの漏洩リスクを抑えながら安全に生成AIを利用するための基盤で、NVIDIAのGPUを搭載したAI専用ハードウェアとAIエージェントの開発機能とを備えている。
同基盤にネットワーク環境や監視、障害対応、バージョンアップなどを付加したマネージドサービスで、機器の調達・構築・保守運用を代行する。オンプレミス環境で機密情報や業務データを安全に利用できる。50名程度の同時利用、複数部門での活用も可能。大規模言語モデル(LLM)や視覚言語モデル(VLM)を搭載し、長文生成や構造化データの理解に使え、チャートやグラフなどの像も高精度に読み取れる。
ノーコードでAIエージェントを開発できる「Dify」も実装していて、誰でも迅速に自社業務特化型AIエージェントを開発できるという。CTCは、GPUの最適化、オンプレミス環境の設計・構築、基盤の監視や障害対応、ソフトウェアやAIモデルの定期更新も担う。
今後、利用規模拡大にあわせたGPUサーバや回線サービス、新たなLLMの追加を含めて同マネージドサービスを一層強化する。各業界の課題に対応できるAIエージェントの開発を支援し、より多くの企業が安心して生成AIを活用できる環境を提供していく考えだ。