
クラウド経由での生成AI利用が進む。そこでは昨今、情報漏洩や通信遅延などの課題が指摘されていて、AI機能を端末内に標準搭載する"AI PC"が注目されている。AI PCはデータを外部に送らずに処理できる安心感や即時応答の快適さ、GPUサーバへの依存軽減といったメリットがある。
一方で、セキュリティ対策や生成された回答の正確性の確認などを(膨大な数の)端末ごとに行わねばならない新たな課題も生じているという。CTCSPは3日、CTCグループが協業する複数の海外パートナーの先端技術をAI PCに実装して提供するサービス「Digital Workplace for AI」を開始した。
顧客ニーズに応じてセキュリティ、ID管理、AIの出力制御などを組み合わせ、安全かつ快適な業務環境を提供する。AI利活用を通じ従業員の満足度向上に取り組む企業を軸に展開する。同サービスでは、外部にデータを送らずAI処理を完結するため、情報漏洩リスクを最小限に抑え、機密情報を安全に扱える。実装技術を各社のシステム環境や業務要件に応じて柔軟に組み合わせられ、所要機能を顧客が選択して利用できる。
生成AIを活用した自動翻訳や画像生成など業務の効率化の支援、企業データの不正利用を検出し遮断するセキュリティ機能、ハルシネーション(幻覚)を検知して抑制する機能、一元的なユーザー認証基盤などを提供し、企業のセキュリティポリシーに沿ったゼロトラストセキュリティが実施できる。AI PCにデータを残さないデータレスクライアント化や仮想デスクトップ構成も可能だ。
高度なAI処理に必要な作業の一部を端末に分散することでGPUサーバの電力消費を抑え、環境負荷の軽減にも貢献する。新サービスは今月17日、グランドプリンスホテル新高輪における「CTC DISCOVER 2025」にて、日本HPならびにLenovoの協力のもと展示するという。