住人AI集団によるシミュレーションでコミュニティの反応を事前予測

経験則や統計的手法などに基づき行われることが多い。これまでの意思決定は、これにより、事前シミュレーション結果ベースの具体的根拠がある――"試さなくても最善手が分かっている"状態での意思決定プロセスへと、変革が実現していくという。

デロイトトーマツは、顧客・ユーザー・市場等のより効果的な反応予測に向け企業・団体がAIエージェント集団を構築し、人間のレスポンスを模擬する新サービス「AI haconiwa」を開発。今年12月の本格提供を目標に技術検証とベータ版提供を開始した。新サービスでは、多様な人の個性・深層心理を再現した"住人AI"集団を構築し、様々なコミュニティの反応を"事前予測できる"シミュレーション環境――人間社会のデジタルツインを作り出すことを目指す。

時間や場所に制約されることなく、生身の人間では困難な質問や対話も繰り返して検証ができ、人々の深層の欲求や動機に基づいた反応情報を得られる。世論調査、マーケティング戦略立案、商品・サービス開発、IR戦略、高度な営業トレーニング、社内制度変革等での利用が想定される。深掘り面談に耐えうる人の個性を再現した住人AIを高速自動生成できる、システムを次のように構築する。

①クライアントの利用目的に合わせてマネジメントAIがインタビューシナリオ・設問を作成、②インタビューAIが実在人に面談、③そこで取得した個性データからユースケースに適合したエキスパートAIが非会見者の特徴を解釈し、専門家視点の情報を付加したデータを生成、④当該データを取り込み、非会見者の性格や価値観、思考の癖などを再現した住人AIを生成

新サービスはAIインタビューエージェント、マルチエージェントアプリ、多機能RAGアプリなど同社が独自開発した各種AIアセットの要素技術と、同社内で先端技術の研究開発を担う人材が学術論文の調査・検証を重ねて蓄積したノウハウを活用するという。