時間制約工事の進捗度管理と濁水処理の遠隔監視をDX基盤アプリで

土木工事における情報を一元化し、リアルタイムでの可視化、施工リスクの早期発見を図る。そのために構築したデジタル基盤上で稼働する専用アプリケーションを2024年に共同開発し、3社によるJVで施工中のシールドトンネル工事をモデル現場として検証した。そして、より汎用的なアプリの実現をめざし――

西松建設戸田建設奥村組は、今回もネクストフィールドの協力のもと、計画工程に対する進捗度をスマホで管理できる「進捗Pro™」と、濁水処理施設の数値・データを遠隔管理する「濁水ウォッチャー™」を開発し、道路リニューアル工事・鉄道工事・シールド工事等の現場で実証ないし実利用を開始した。2つのアプリは昨年構築を発表した「土木工事プラットフォーム」で利用できる。

進捗Proでは、時間制約が厳しい道路占用工事や営業線内鉄道工事などで、計画工程に対する進捗度をスマホ等による操作で可視化し、作業箇所と遠隔地(施工・発注者事務所)にて、進捗状況を即かつ常時共有可能とする。工事に関わる複数人が同状況を容易に打刻・閲覧でき、適切な工事継続の可否判断を下せる。

濁水ウォッチャーは、濁水処理施設の排出値や薬剤の残量について、アナログメータ等をOCRカメラで読取り数値化することで、データの自動共有と遠隔可視化、しきい値でのアラート発出/工事担当者への通知を行う。現地での確認作業の省力化、早期のリスク検知を実現する。

建設業界全体の生産性向上、現場管理の効率化を進めていくため、他の建設会社へ土木工事プラットフォームを提供中である。現在、中堅ゼネコンの道路占用工事や、地方ゼネコンの舗装工事では進捗Proの利用が始まっているという。3+1社は、各施工ノウハウと情報基盤を活かしつつ現場監督が有するナレッジと現場情報を一元化し、応用技術開発を進め、土木工事系アプリを拡充していく。建設業界の持続的な発展・活性化に貢献していく考えだ。