トンネル工事現場DX、全光ネットワーク技術を基盤に遠隔安全作業へ

建設業界では各種課題に対するデジタルトランスフォーメーション(DX)が急がれている。が、トンネル建設現場では、仮設通信設備にコストをかけられなかったり、通信を要するのが測量や切羽(掘削最前線)監視だったりしてICT基盤構築が進んでいない。

供用(施工後の運用)中の道路トンネルは定期点検(国交省PDF)にて構造物の健全性を確認せねばならず、1万本超のトンネルに対する検査者不足も課題となっている。国交省によるi-Construction2.0策定以降、業界全体としてさらなる生産性アップに向け建設現場の自動化に取り組んでいるなか、安藤ハザマNTTは、建設現場DXの推進に向けたIOWN技術のユースケースの検討をリードしているという。両社は今回――

IOWN Global Forumメンバーと、主に山岳トンネルの建設現場における施工管理の遠隔化・自動化について取りまとめたドキュメント「Use Case and Technology Evaluation Criteria -Construction Site」が建設業界で初めて正式承認を受け一般公開されたとした。

同現場の革新に向けたユースケースとして、①定常的な監視とデータ収集(遠隔監視)、②施工中必要時のデータ分析(遠隔解析)、③モバイル検査(遠隔臨場)、④通信ファイバを活用した維持管理(モニタリング)を想定し、ゼネコン、専門工事業者、発注者、機器・サービス提供者といった各ステークホルダーでの特有効果を見込む。

トンネル建設工事および供用中の安全性と生産性向上を実現するIOWNソリューション創出を加速し、国内外のトンネル工事現場で活用可能な次世代ICT基盤構築を目指す。両社は今後、広範にパートナーを募り、実証を通して、ユースケースごとの有効性、実装可能性の評価を進め、システム設計およびリファレンス実装モデルを確立していく考えだ。