
情報技術(IT)を各種業務に浸透させ、生産性を上げたり効率化を図ったりして、ビジネスをより良い方向に転換していく。デジタルトランスフォーメーション(DX)の幕開け前から、ものづくり現場では、設備操業技術(OT)が実装されていて、昨今ITとOTの連携によるスマートファクトリ化もみられる。
今月14日、日本製鉄のIT・OT領域を担うグループ企業としてこれまでスマートファクトリを実現するための各種ソリューションの提供を行ってきたという、NSSOLと日鉄テックスエンジは、デジタル製造業領域での業務提携に関する基本合意書を一昨年末に締結したことを受け、今回、それぞれの有するIT・OT領域でのソリューションと技術知見を融合させ、統合ソリューションの共同開発を進めることに合意したと発表した。
かたや「基幹系システム、業務に関する知見」「AI/ML、デジタルツイン、エッジ・クラウドを含むITインフラ等の先端IT力」「大規模システム企画力、提案力、運用力」を強みとし、かたや「製造現場で蓄積した知見」「リアルタイム制御等のシステム構築ノウハウ」「保全、整備、工事のノウハウと全国拠点」「設備管理、診断システム等の独自商品」「生産、整備、工事等の現場フィールド」を強みとする。
両社は共同して、①設備状態監視システムと設備保全管理システムの連携による最適保全の促進支援、②設備故障予知における両社保有の分析モデルを融合した設備予知保全システムの強化、③生産計画・生産実行の最適化領域における両社アセットのプール化を通じた案件対応力の強化について開発を進めていく。
製鉄現場での豊富かつ実効性のあるユースケースを掛け合わせて、顧客のDXニーズに応えることを目標にしている。両社は、新たな価値提供の創出とIT・OTニーズへの的確な対応による、統合インダストリーソリューションプロバイダーに向けた協業を促進していく構えだ。