
生成AIの進展が著しく、日常的に活用しているシーンを多く目にするようになってきた。一方、ビジネスシーンにおいては生成AIの活用率が3割強に留まっていることが先日の調査でわかった――
生成AI活用に関する調査の結果を6月18日に公表していたカオナビは、今回、人事担当者に焦点を当てて業務上どの程度利用されているのか、状況を把握するために調査を実施した結果、人事担当者の4割が生成AIを業務で活用していることがわかったと同月26日に発表した。人事担当者が生成AIを活用している会社ほど、人的資本経営を「非常に重視している」割合が高く、未活用企業の約2倍であることも判明したとする。
全国20〜50代の人事担当者300名へのWEBアンケートで、「業務で生成AIを使用しているか」との問いに、43.7%が使用していると回答。業務で使用していないわけについては、「特に理由はない(4割弱)」「どのように使うのか分からない(2割強)」「必要性を感じていない(同)」。「情報の正確性に不安がある(2割弱)」「セキュリティリスクが気になる(同)」と続き、生成AIへの理解不足や信頼性への懸念が活用の進まない一因となっている。
生成AIの活用(131名)場面の最多は「人事レポートやコンテンツの草案作成(4割弱)」。「採用関連」「勤怠データや離職率などの可視化・分析」「人事評価」「エンゲージメントサーベイの集計・分析」が3割半~3割で続き、人事に関する情報の整理や言語化に生成AIを活用している傾向が見られた。「研修資料やeラーニング教材の作成」と「人材配置の提案」が約3割で、育成や異動に関わる業務にも幅広く活用されていることがわかる。
所属企業の人的資本経営について、重視程度が「分からない」とした割合は生成AI活用者3.1% vs.未活用者30.2%――その活用度合と人的資本経営の理解に一定の相関が見られたという。