
新機軸の推進や生産性の向上、競争力の維持ないし強化を狙う。企業はいま、生成AIやエージェント型AIの導入を必要としている。AIの高精度活用における固有のデータも不可欠となっている。
当社が行った最新のCEO調査によると、経営者の72%が自社の独自データこそが生成AIの価値を引き出す鍵だと考えている。鍵となるそれらの多くはメールやPDF、プレゼン資料、動画といった非構造化データで、利活用が困難だ。従来のRAG(検索拡張生成)では、非構造化データの規模と複雑さに対応できず、構造化データと適切に統合することも容易ではない。多種多様なデータ管理ツールの乱立による、データスタックの複雑化も課題となっている。
その結果、法人データの最大9割を占める(IDC白書より)非構造化データは十分に活用されておらず、AIエージェントやその他の生成AIアプリにも反映されていないのが現状だという。IBMは今月、エンタープライズデータスタックを抜本的に簡素化し、AIエージェントなどの高度なAIアプリケーションに必要な非構造化エンタープライズデータを統合・管理・活用するソフトウェアを発表した。
新製品にはwatsonx.data integrationとwatsonx.data intelligenceが含まれる。これらの製品にある機能の一部は同社のオープンでハイブリッドなデータレイクハウスwatsonx.dataを通じても利用でき、AI向けデータのライフサイクル全体を一括管理できるように設計されている。新たなソフトウェアはハイブリッドかつオープンで、サードパーティーのデータスタックとも連携可能だ。
柔軟性と相互運用性を備え、エコシステム全体からイノベーションを推進する。IBM watsonx.dataを用いた内部検証では、従来のRAGよりも40%精度の高いAIを実現できる可能性のあることが示されたという。