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マーケティングシナリオを事前検証してmROIを最大化

適切な予算設定・配分が一層重要となった昨今、マーケティングの投資対効果(mROI)の向上が求められている。一方、生活者関連データは膨大で多種多様化――データ駆動型の高度な市場活動が進展していても、生活者の意識や行動を十分に理解した上でのマーケティングは容易でないという。
電通は、企業のさまざまなマーケティングシナリオを事前検証し、KGI(重要目標達成指標)達成に向けた効果的な市場活動を実現する新たなシミュレーションモデル「People Simulator」を開発。これを27日に顧客向けサービスとして提供開始した。同モデルは同社が提唱する次世代マーケティング様式「Marketing For Growth」の4プロセスすべてに該当する。
生活者一人ひとりの消費行動を精緻に再現した仮想空間(市場)を構築し、事前に複数のマーケティングシナリオを多角的に検証する。同モデルは、独自調査に加え、同社が保有する生活者のパネルデータや広告統計データを掛け合わせることで、生活者それぞれの意識や行動をとても細かく再現でき、市場全体の把握、そしてセグメントごとのシェアや個人の購入意向などの検証が行える。
時間軸を考慮したシミュレーションも可能で、自社ないし競合ブランドのコンディションに合わせて、伝えるメッセージや対策の最適な順番などのプランニングに生かせる。プランニング段階から、オフラインとオンライン、ブランドイメージの形成など、分断されがちな各マーケティング手段をシームレスなマルチシナリオとして比較検討可能であり、KGI達成に向けて最もmROIが高いと見込まれるプランを選択できるという。
同社は今後、1億人のペルソナを仮想的に再現した「People Model」との連携による各種カテゴリーでのモデル化を進める「People Simulator」について、AI化も図り、一層の機能拡張を推進していく考えだ。