教育現場DX、パブリッククラウドを活かして教職員の業務負荷を低減

多彩な分野でデジタルトランスフォーメーション(DX)が進む。近年、教育現場でも、教職員の長時間労働や業務の非効率性、地域間の学力差といった課題を解消し、教育の質を向上させる手段としてICT(情報通信技術)ツールの有用性が論じられている。

愛知県でも「あいちの教育ビジョン 2025-第四次愛知県教育振興基本計画」を推進するにあたり、子供たちの学ぶ環境の変革、教職員の働く環境の見直しなど、ICTを活用した新たな教育環境の整備が課題になっていたという。ネットワンシステムズは、パブリッククラウドサービスを活用した同県教育委員会の次世代ICT教育基盤を構築し、教職員の働き方改革・教育DX推進と情報セキュリティの両立を実現した。当該環境は今年1月から稼働している。

パブリッククラウドの積極的な活用により、従来の「境界分離型セキュリティ」と「アクセス制御型セキュリティ」それぞれのメリットを活かした同教育委員会独自の「ハイブリッドモデル」で上記両立を果たした。そのうえ、同社独自の運用ポータル導入により、ICT担当者の運用コスト・負荷低減を達成した。

成績管理などの個人情報を扱う「校務系」と、インターネットに接続する「校務外部接続系」の2大ネットワークで構成されている教職員向けICT環境について、「クラウド型仮想デスクトップで業務を効率化」したほか、「ゼロトラストでロケーションフリーな働き方を実現」「ファイル暗号化とアクセス制御で情報の安全性を確保」「運用保守ポータル『Growcx』で運用負荷を低減」といった成果を得た。

今回の教育基盤は、将来のクラウド&ゼロトラストへの完全移行を視野に入れた基盤整備として位置づけられる。今後の運用を通して、教育現場に合わせた教育DX・教職員の業務負荷低減を継続的に追求するという。同社は、地域社会のICTインフラ高度化の実現に向け、技術力や知見を提供していく構えだ。