
バスやタクシーのサービス提供が困難な地域で住民らの移動手段を確保する。自治体が交通空白輸送事業を行う自家用有償旅客運送(公共ライドシェア)では一般人がドライバーとなる。ゆえに運行状況管理やプライバシーへの配慮等が課題となり、これがそれらを解決する機能を有していたという。
デンソーテンは13日、自社の通信型ドライブレコーダーを活用した安全運転管理テレマティクスサービス「Offseg」が富山県南砺市で今年3月に始まった公共ライドシェア「なんモビ」に採用されたとした。同市が公募した一般ドライバーの自家用車にOffsegのドライブレコーダーが装着され、登録ドライバーの運行およびアルコールチェック管理の効率化に活用される。
今回の採用につながった主な機能は、「運行管理者が各ドライバーの運行状況を一管理画面でリアルタイムに確認可能」「ドライブレコーダーの録画・位置情報記録をドライバーがボタン一つで簡単にオンオフ切り替え可能」「アルコールチェックの結果を一元管理可能」だという。
県内の他市町村よりも市域が広く、鉄道・バスなど既存交通機関だけでは市内の移動需要をカバーすることが難しい。バス・タクシードライバーの担い手不足、収支悪化に伴うバス路線の減少、高齢者の免許返納に対応する移動手段の確保等も課題であった。そこで、リベラが同市ならびに石川県小松市から事業の委託を受け、全自連の協力のもと、3月にモビリティシステム基盤を立ち上げた。
南砺市では「なんモビ」アプリも同時に提供される。利用者は同アプリからタクシーの配車依頼や予約が可能で、タクシー事業者が配車できない場合、登録ライドシェアドライバーに配車依頼が入る(タクシーとの共同運営:国交省公共ライドシェアPDF資料)。ライドシェアドライバーによる自家用有償旅客運送時でも依頼者が安心して利用できるよう、同社はOffsegで安全運転管理をサポートする。