
企業のマーケティング活動においてはこれまで、「アンケートやグループインタビューの実施」や「3rd Party cookieによる同一ブラウザの閲覧情報」によって顧客ニーズの推定が行われてきた。前者はしかし費用負担が大きい。後者は日本でも2023年に始まったCookie規制すなわち――
令和5年6月改正電気通信事業法の外部送信規律(同法第27条の12)により、現在は3rd Party cookieを用いてする顧客ニーズ把握が非常に難しくなっていて、自社保有データを活用する重要性が高まっている。だが現状は、膨大なデータが社内に散在していて整備不十分であったり、専門人材が不足していたりして、活用が進んでいないという。
ベルシステム24は、生成AI Co-Creation Lab.において、シンカーと共同で、企業が保有するコンタクトセンターの通話データやチャットログなどのVOC(顧客の声)データから生成AIにより顧客ニーズを推定する「ヒトトナリAI」サービスの提供を開始する。同サービスは顧客のライフイベントや興味関心の可能性をスコア化することでニーズを推定。最適な商品の提案や新商品の需要予測、新規顧客獲得のための広告配信など様々なマーケティングに活用できる。
通話データのテキスト化から生成AIによる分析およびインサイトスコア生成、分析結果レポートの提出から活用提案、施策実行までワンストップで実施。目的に応じて、様々な顧客情報との突合や、既存のマーケティングソリューションとの連携、AIモデルのカスタマイズ化も可能である。VOCをマーケティングに活用したい企業に伴走する、同サービスは、営業活動や顧客対応の運用改善にも利用できるという。
両社は、これからも、生成AI Co-Creation Lab.での協業を通じ、クライアント企業のCX向上に寄与する新たなサービス開発を推進していく考えだ。