
あらゆる組織でDXが求められている。だが真のDXに資するデータの可視化については専門人材やノウハウの不足、機器導入等のコストを理由にためらう企業が多い。他方、カーボンニュートラル実現に向け、サプライチェーン全体でのCO2について、企業規模にかかわらず排出量の報告や削減が求められている。
CO2削減に向けた規制はより厳格になるだろう。精緻な排出量把握の必須化など、一層高度な取り組みが求められると想定される。中堅・中小企業ではしかし、自動計測や可視化システムの導入が進んでおらず、"原単位"での詳細なエネルギー使用量、CO2排出量の把握が十分できていないのが実態だという。
IIJと三菱HCキャピタルは10日、データ可視化で企業のDX推進に寄与する協業の第一弾として共同開発した「省エネIoTパッケージ」を提供開始した。これは前者のIoTプラットフォームと後者のCO2可視化支援サービスを組み合わせた、製造業のカーボンニュートラル推進に特化したものである。
IoTシステムを活用して工場内におけるエネルギー使用量(消費電力量)を生産ラインの工程ごとに細かく計測し、設備管理システムや生産情報と合わせて原単位でのエネルギー使用量を見える化。国際的な基準であるGHGプロトコル(環境省仮訳PDF)に準拠したCO2排出量の算定や削減計画の支援を行うフレームワークに基づき、エネルギー使用量からCO2排出量を適正に算定し、排出量の削減目標設定を支援する。
CO2排出量の把握と削減目標の策定支援および打ち手の提供も特徴とする。今回のしくみは、IoTデバイス・ネットワーク・クラウド・取得データ可視化アプリと、ファイナンス及びアセットマネジメントとをサブスク(定額制)で一括提供するため、顧客は機器等の購入が不要で、初期コストを抑えてDXの第一歩を踏み出せる。CO2削減ひいてはカーボンニュートラルをめざせるという。