
生成AIの活用が広がる。近ごろ店舗での接客や製品・サービスの教育、役所での相談とか観光案内など、幅広い分野で、人間らしい対話の行えるAIエージェントの導入ニーズが高まっている。そのような仕組みの構築・運用にはしかし、プログラミングなどの専門技術と知見が求められる。
AIエージェントは知識データの定期学習や対話記録の管理、アバター制作などの負荷の高さも課題だった。従来、AIエージェントとそのアバターは個別制作後に統合する工程を要したという。DNPとBIPROGYは、AIエージェント機能搭載アバターをノーコードで簡単に構築できるツールを開発した。前者がツール設計とともに生成AIの回答精度を向上させるデータ整形技術を提供し、後者が最新のSaaSアプリケーション開発技術を採用して全体の開発を担った。
同ツールでは、生成AIの連携や知識データの入力をして、アバターを選択するだけで、AIエージェント機能を搭載したアバターをノーコード(プログラミング不要)で簡単に構築できる。専門職人材や企業等に委託せずとも、利用者がAIエージェントを容易に作ってすぐに展開できるため、業務効率化につなげられる。
「ノーコードによるAIエージェントの制作で費用・時間削減」「学習データのアップデートによって最新の情報で接客・質疑応答」「多様なメディア・デバイスで利用」が可能で、アバターデザインもツール内に用意されたデザインを選んで利用シーンごとに変更できる。同ツールの導入により、Webサイトや店舗のデジタルサイネージ、メタバースなどでのAIエージェントによる接客や質疑応答などが見込める。
今月11日から、「メタバース役所」にて、同ツールで構築したAIエージェント機能搭載アバターの利用実証実験を行っている。両社は、この実証実験により同ツールの品質を向上させ、2025年度にSaaSとして提供することを目指している。