まちなかの廃食用油を集めてSAFの製造とゴミの減量に役立てる

化石燃料以外を原料とするSAF(持続可能な航空機燃料)。世界各国で需要が高まっていて、航空機セクタの脱炭素で中心的役割を果たす。それは既存インフラの航空機、貯蔵・給油設備などが使用でき、中大型機には不可欠なものになるという。

コスモ石油マーケティングは、北日本石油ハジャイレボインターナショナルと共に、福島県会津地域にて、商店街やローカルの飲食店、キッチンカー事業者を軸にした使用済み食用油(廃食用油)の回収を行っている。回収した廃食用油は、コスモ石油が出資するSAFFAIRE SKY ENERGYの新設工場(大阪府堺市)において、従来の航空燃料よりも温室効果ガスを大幅に削減できるSAFの原料として活用する予定である。

コスモエネルギーグループ日揮ホールディングス、レボインターナショナルと、国内における廃食用油の収集からSAFの製造・輸送・供給に至るまでのサプライチェーン構築に向けて、2022年にSAFFAIRE SKY ENERGYを設立(発表記事@PRTIMES)。24年12月にはSAF製造設備(プラント)の完工を迎え、現在は国内で発生する廃食用油のみを原料とした年間約3万キロリットルのSAFの供給を目標にしている――

25年度以降、原料となる廃食用油の調達から、SAFの製造・品質管理、航空会社への供給に至るまでのすべてのSAFサプライチェーンの構築を国内で実現することを企図する(解説資料PDF@NEDO)。

2月14日に始めた上記回収プロジェクトは、廃食用油を資源化することで、温室効果ガスの排出量削減と、会津若松市が抱える喫緊の課題であるごみ減量に貢献するという。4社は、観光業が盛んな同地における今回の取り組みを通じて、観光庁「日本版持続可能な観光ガイドライン(JSTS-D)」に基づくサステナブルツーリズムの実現、地域一体となった持続可能な観光地の構築を目指していく考えだ。