各種施設にてAIを活用、1チップでダブルアングル画像処理が可能に

高性能・低消費電力・柔軟性を兼ね備えたAIアクセラレータが大注目されているという。今日これにより、スマートシティや産業現場のビジョンAI要件などに対応でき、顧客がコスト面でも最適なAIマイクロプロセッサ(MPU)を選択できるようになると期待している。

ルネサスは19日、独自AIアクセラレータ内蔵型MPU「RZ/Vシリーズ」において、ミッドレンジ製品「RZ/V2N」の量産と販売を始める。ハイエンドのRZ/V2Hと同じく最新アクセラレータDRP-AI3を搭載し、ユニークな枝刈り技術により最大15TOPS/Wを達成した。Arm Cortex-A55とArm Cortex-M33を搭載している同製品の追加により、ハイエンドからローエンドのRZ/V2Lまで同シリーズのラインアップが出そろった。

V2NはLSIパッケージ面積を15mm角とV2Hより38%縮小。高いAI性能と低消費電力を両立して発熱を抑制――冷却ファンを省略でき、組込み機器の小型化とシステムコスト削減を実現する。商業施設で混雑・滞留解析を行うAIカメラ、生産ラインで外観検査をする産業用カメラ、運転モニタリングシステムなど、各種適用分野でビジョンAIの導入を容易にする。

2カメラによるダブルアングルの画像処理が可能となる。新製品では、人の動線解析や転倒検知などを高精度に行え、駐車場の台数監視とナンバープレート認識などを1チップで具現化できるという。同社は、50種類超のユースケースにも対応するAI App and AI SDK(GitHub)を提供し、AIの知見が浅いユーザでもAIアプリを早く評価・開発して、市場投入時間を短縮することを可能にする。

ウィニング・コンビネーションの一環として、様々な用途に対応できる「AIダッシュボードカメラ」も開発した。同社は、RZ/V2Nのデモをembedded world 2025で披露する。