仮想化された無線アクセスネットワークのセキュリティを一層強固に

社会インフラ等を狙った巧妙なサイバー攻撃が顕在化している。昨今、セキュリティリスク対策が極めて重要である。通信事業者において、オープンな設計構造でかつ無線アクセスネットワーク (RAN) の基本機能が仮想化された"Open vRAN"は、導入シナリオに応じた様々なネットワークが適用できる――

それは高い自由度を持つ一方で、ネットワークに対する脅威への対策も求められるという。NECは、Open vRANのセキュリティ強化に向けて、O-RAN Allianceで新たに規定されたインターフェースやコンポーネントに対応するvRANの開発を進めてきた。そして今回、自社のvRAN基盤上にて、トレンドマイクロの子会社CTOneが提供するSecureRAN(英文解説PDF)の導入検証を開始する。

vRANセキュリティのさらなる高度化を図る。NECは、高度な安全性と柔軟性を有するvRAN基盤への、同じくO-RAN Allianceの規定に対応しているこの仕組みの導入検証を通じて、一層安全安心なネットワークの構築と運用を目標とする。SecureRANは、最新の脅威情報を常時参照し、既知の脆弱性ならびに未知の脅威にも即応して、ネットワークの監視と防衛を高度化――vRANのアプリケーションレイヤを網羅したトータルセキュリティを実現している。

O-RAN Alliance発足当初から、ネットワークのオープン化や標準化の活動に貢献してきた。とりわけ、vRANについては、同団体のインタフェース・コンポーネントを具備したうえで、従来型のRAN構築で培ったノウハウを活かし、安全性の高いOpen vRANを開発してきたという。

同社は上記導入検証によって、顧客のネットワーク基盤の強化と、安心安全な通信インフラの提供をめざす。商用導入に向けたサポートメニュー(導入支援、保守、運用支援など)の順次拡大も図っていく考えだ。