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2050年カーボンニュートラルを実現する。日本は2030年度に温室効果ガス(GHG)の13年度比46%削減を目標にしていて、日常生活におけるCO2排出削減も不可欠だ。そこで、GHG排出量について、30年度に市域全体で50%削減、民生系で45%以上削減を目指しているという。
川崎市と、富士通、ANA X、東芝データは、スマホアプリ――Green Carb0n Club、ANA Pocket、スマートレシートの活用によりCO2削減量を可視化する実証実験を2月27日~3月28日に行う。国内初の試みだという同実験では、環境省主導「デコ活」プロジェクトPAIのデータベース(DB)に基づいて、同市内在住・在勤者自身の環境行動により削減されたCO2排出量の見える化とフィードバックを実施する。
実験参加者は単ないし複数の上記スマホアプリで年齢や居住地区などの情報を登録する。アプリ利用を通じて記録された移動・購買・環境行動データは、環境行動データプラットフォームに蓄積され、デコ活DBを用いてCO2削減量に換算、可視化される。これにより参加者は、Webアプリ「Eco Potential(EP)」から、自身の環境に配慮した行動による当該量を確認できる。
複数アプリのデータを1つのWebアプリに連携させることで、参加者の努力が効率的で分かり易く正帰還される。個人の持続的環境行動への意識が期待できる。今回、これらの仕組みで創出されるCO2削減量の社会的価値やデコ活DBの社会実装に必要な要素について検証する。従来顕在化していなかった市民の環境行動を定量的に評価することで、市民一人ひとりの環境意識の向上を促進し、脱炭素社会の実現に寄与することをめざす。
4者は今後、「EP」へ連携するデータの拡大や創出されたCO2削減量に対する価値化について、ボランタリークレジットや地域への還元などについても検討していく予定だ。