サプライチェーンの価値向上、鉄道利用の出張でGHG排出を相殺する

世界的に気候変動への対応が急務だ。そうしたなか、企業は、温室効果ガス(GHG)排出削減プロジェクトを一層加速させていくうえで、自社の事業活動におけるサプライチェーン(供給網)上の間接排出のうち自社購入・使用エネルギー起源のものを除いた「Scope3」排出量削減が必要不可欠だ。

当社もScope3(環境省「グリーン・バリューチェーンプラットフォーム」Web)削減を重要課題として、削減可能な範囲から取り組みを進めてきたという。セラミックスをベースとした電子部品の開発・生産・販売を行っている世界的な総合電子部品メーカーである村田製作所は、総延長4,897.5km(新幹線2線区937.7km、在来線49線区3,959.8kmの鉄道を有するJR西日本と協働し、出張におけるカーボンオフセットの取り組みを2月26日に開始した。

同取り組みの土台となる「地域共生カーボンオフセットプログラム」においては、JR西日本の法人出張ネット予約サービス「e5489コーポレートサービス」を用いたムラタ従業員の出張について、鉄道利用に由来するGHG排出量を可視化する。そしてその量に相当するカーボンクレジットをJR西日本が調達することで、サプライチェーンのGHG排出を相殺する。

上記プログラムでは、自社の事業活動の基盤となる地域由来のJ-クレジットを購入することにより、地域の環境保全および農林業など地域事業を活性化し、持続的な地域振興の実現にも貢献していくという。村田製作所は、「気候変動対策の強化」をマテリアリティに設定し、取り組みを進めている――

昨年発表した中期方針2027では、2050年でのサプライチェーン全体でのカーボンニュートラル達成を目標として設定。Scope3についてもサプライヤーとの連携等にて取り組みを強化している。今後も気候変動対策プロジェクトを加速させ、持続可能な社会の実現を目指していく考えだ。