定点観測ニーズが高まっている。都市での天変地異や事故発生、製造業における生産や評価工程での異常事態への対応など、監視対象によっては24時間での即応体制が必要となり、目視監視の要員確保や配置・教育コストが課題となっている――
また、監視習熟度で正確性にバラつきが生じたり、長時間のモニター監視が身体的負担にもなったりする、人力監視の代替手段が求められる一方、監視の対象はさまざまで、これまでの画像処理だけでは異常検知の難しい場合があったという。キヤノンITSは、異常監視システム「ANOMALY WATCHER」の新バージョンを1月28日に提供開始した。
新版では、従来の画像比較による検知に加え、AI連携による検知が可能だ。「Bind Vision」「Visual Insight Station」「LaiGHT」などのAIシステムとの連携や、顧客独自のAIモデルとの連携で、屋外での利用、特定の物体の検出、人や機械の動きのある状況下での検知など、用途に応じた柔軟な監視方法を選択できる。以前は個別開発を要していたAI連携領域の機能が標準機能となるため、利用開始までの期間を短縮できる。
その他、入力機能では、対応カメラ数の拡張を行いPC1台で最大4台のカメラ映像のリアルタイム解析が可能となった。動画解析に加え、新たに静止画の解析にも対応。通知機能においては、パトライト製の信号灯に標準対応し直接制御を可能にしたことで、点灯パターンの指定や音声通知機能を使用した通知などができるようになった。
「ANOMALY WATCHER」についてはカメラ/画像処理/AI技術をつなぐプラットフォームとして、今後も機能追加を行い、さまざまな監視用途に活用可能なシステムへと進化させていく。監視システムとしてカメラ画像以外のセンサー情報と組み合わせることで、より柔軟な監視が実現できるよう機能拡張を進める計画だという。