あのロボットが安全運転のエージェントになり高齢ドライバをサポート

高齢ドライバによる逆走や交通事故が社会問題となっている。2007年に超高齢化社会に突入した日本において、今、安全運転を支援する仕組みの整備が急務だ。車での移動が欠かせない地域では、高齢者の移動手段を維持・確保するための方策も求められている。

そこで16年から名古屋大学COIプロジェクトなどを経て、ドライバエージェント――スマホ・ロボット・クラウドが連動し安全運転パートナーとして改善をサポートする――システムによる運転支援の研究を継続している。自身の危険な運転行動への気づき(自己認識)を促すこと、運転行動を評価し客観的に振り返ること、同乗者の存在が事故率を下げる効果を利用すること等、運転行動の改善効果について検証してきたという。

名古屋大学未来社会創造機構と、住友商事ポットスチルならびにシャープは今月23日・28日、高齢者安全運転支援研究会八尾自動車教習所の協力下、モバイル型ロボット「RoBoHoN(ロボホン)」を活用したドライバエージェントシステムによる運転支援ソリューションの実証を、高齢ドライバ18名とともに大阪府八尾市内の指定公道で実施する。

今回、ロボホンを通じて、注意喚起や運転行動への示唆など「運転中の支援」と、運転後の評価など「振り返り支援」を行う。ドライバに危険な運転への気付きを与え安全運転を促し、行動変容効果を検証する。ロボホンの同乗により、音声ナビ機能などでは得られない同乗者効果、そして上記システムによる運転評価やアドバイスの受容性の高まりが期待される。

さらに今年4月~5月、全国のロボホンオーナー20名と、改良を加えたドライバエージェントシステムを用いた新たな実証実験を全国の公道で行う。4者は、これらの実証で得られた知見を生かし、より安全な運転を促す「運転支援ソリューション」の開発に取り組み、25年度中にプレサービスを開始し、26年度中の商用化を目指すという。