倉庫や製造現場などにおけるモノの保管業務では、場所の管理が属人的になりやすい。人的ミスによりモノが行方不明になることが日々発生している。その原因の多くは保管場所の記録漏れや誤登録だ。小規模な倉庫では人の記憶に頼った管理も多く、一時的にモノが紛失し――
その捜索に時間が取られ、予定期日に出荷できない問題も発生している。特に昨今、物流2024年問題の影響から外国人労働者も増えており、言語の壁を越えた運用が必要になっているという。OKIは、屋内外問わず保管された製品や設備品などモノの位置情報をスマートフォンで容易に追跡できるSaaS型のロケーション・在庫管理システム「SHO-XYZ」を3月に発売する。
物品に二次元コードやRFタグを貼り付けることで、スマホから保管位置や在庫情報を一元管理できる。モノが紛失するといった現場の課題を解決し、管理工数の大幅削減を可能とする。同システムは、リーズナブルな価格設定で、小規模倉庫や投資が難しい工場などでも手軽に導入できる。WMS(倉庫管理システム)等で必要な入出荷などの管理機能も備わっていて、二次元ないしバーコードを活用することでモノのロケーション~在庫管理まで行える。
多言語および現場特有の文言などにも対応。作業者の国籍を問わず、現場状況に合わせたモノの位置登録や、アプリの地図からのモノの位置確認ができ、現場におけるモノの紛失事故を抑制し、捜索時間を短縮できるという。OKIの自社倉庫での実証実験では、同システムを未導入の場合との比較で、モノの捜索時間約75%減を確認した。
今後は、入出荷状態や在庫数、荷物移動履歴といったデータ分析を強化し、現場業務効率化や倉庫の生産性向上に貢献する機能をさらに拡充していく。まずは国内で先行販売し、2026年よりAPACを中心に海外展開するという。「SHO-XYZ」はスマート物流EXPO2025にて披露される。