建設現場DX、鉄筋出来形自動検測のしくみにAI機能が追加

建設現場におけるIT(情報技術)活用が作業の省力化や人手不足解消に寄与する。出来形検測――立会検査時に、鉄筋径と鉄筋の種類を区別するためのマーキング、配筋間隔を示す標尺などを設置して、鉄筋出来形の計測や写真撮影をしていた業務はおよそ4年前にDXされた。そして――

三井住友建設は、日立ソリューションズと共同開発し特許第7340434号を取得しているリアルタイム鉄筋出来形自動検測システム「ラクカメラ®」/後者での販売名「GeoMation鉄筋出来形自動検測システム」にAIを搭載した。これにより、AIが画像から鉄筋を自動認識するため、ダブル配筋や多様な撮影条件下でも計測が可能となり、計測精度と作業効率が大幅アップしたという。

現場のデジタルトランスフォーメーションに資する同システムは、デプスカメラ(深度センサ付カメラ) を接続したタブレットを用いて鉄筋を撮影するだけで、計測対象の鉄筋本数と配筋間隔、鉄筋径を自動計測するしくみだ。計測結果をクラウドの帳票生成サービス(日本コンピューターシステムのサービスと連携)に送信すると、帳票と写真台帳を自動作成する。

今回、それにAI機能が搭載され、①ワンタッチで鉄筋を抽出:従来システムでは手作業であった画像の鉄筋認識作業をAIが自動で行うことで、ワンタッチで鉄筋を抽出できる。抽出精度も大幅に向上した。②ダブル配筋の計測が可能:撮影した画像からAIが鉄筋の上段・下段を自動認識する。これにより、従来システムでは計測困難だったダブル配筋の下段鉄筋も計測が可能になった。

③さまざまな撮影条件下でも計測が可能:画像からAIが鉄筋を自動認識することにより、直射日光が当たる環境や逆光でも計測ができるという。三井住友建設は、「ラクカメラ」を積極的に導入展開して実績を蓄積するとともに、さらなる高精度化に向け、引き続きシステム開発に取り組んでいく構えだ。