そのMaaS(サービスとしての移動手段)は、狭い道路が多い都心の住宅街において、高齢化した住民と子育て世帯の移動・交流課題の解決に役立つ。地域を活性化するプロジェクトだ。誰にとっても便利で快適な移動手段と、区内の魅力的な施設や季節ごとのイベント情報やお散歩コース――
それらの発信を通じて、知らなかった地域の魅力を発見できる機会を届ける自治体の運営事業だという。経路検索「駅すぱあと」等を展開中のヴァル研究所と、モビリティや人材マッチングによる地域活性化事業に取り組むうさぎ企画は、東京都杉並区が今月8日に始める同区産MaaS「ちかくも」プロジェクトに参画し、実証実験の設計・実施・運営支援や同区公式LINEアカウントで利用できるアプリの開発提供等をおこなう。
前者は、地域内の新たな交通サービス(グリーンスローモビリティやAIオンデマンド交通)の運行にかかる検討・提案や地域の合意形成等の業務支援、おでかけの目的や、新たな交通サービスと既存公共交通とのシームレスな乗換の案内・予約機能を提供する「ちかくもアプリ」の構築等を担う。一部業務はMaaSや地方創生事業に多数のノウハウを持つ後者をアドバイザーに招き、協働して進めている。
ちかくもアプリは、東京23区初といわれている区公式LINEアカウントを活用したMaaSアプリだ。杉並区産MaaSの各種サービスを利用するためのひとつのツールがこのアプリとなる。今回のしくみでは、同アカウントを同区のデジタルな窓口・接点と捉え、健康・福祉、環境、産業振興など、交通以外の分野との連携により、おでかけの機会増を目指すという。
両社は、これからも、新たな移動機能やおでかけ情報の拡充により移動機会を増やし、地域コミュニティを持続的に活性化させ、「杉並区に住んでみたい・もっと住み続けたい」と思ってもらえるような、活気あるサービスを育てていく構えだ。