化学品物流DX、トラック積載率とCO2排出量削減に大きな成果

その業界で前例のない複数荷主・複数物流事業者間における共同輸送の可能性を実証する。定期幹線便軸での共同輸送モデルの実効性の確認と評価。上記荷主・事業者間の各種データ多重交換向け"共同物流プラットフォーム"と、スマート物流系ガイドラインに準拠した化学品業界としての――

"物流情報標準フォーマット"の有用性の確認や、複数荷主の輸送実績データを基にした模擬共同物流の検証等を狙いとした。経産省・国交省主導「フィジカルインターネット実現会議」の化学品WG(PDF)が今年9月~12月に関東・東海地区で行った、実証実験結果が23日に発表された。

それにオブザーバーとして参画した富士通は、自社のオファリング「Unified Logistics」による共通データ基盤を提供し、化学品WG参画各社の物流業務に関わる積載率、CO2排出量など様々なデータの連携を行った。同オファリングは内閣府SIP第二期「スマート物流サービス」PJで策定された「物流情報標準ガイドライン」に準拠しているという。

同社は、様々な形式の物流データを収集・変換・標準化・蓄積する同オファリングのハブ機能を活用し、荷主・物流各社保有ロジスティクスデータを連携。従来個社運用していたデータ形式(項目・桁数等)を上記指針に沿った構造へと変換・標準化し、ロジスティクスDBに蓄積。その蓄積データについてKPI評価・分析機能を活用し、業界精通コンサルによる分析のもと、共同配送の効果算出シミュレーションを実施した。

同WGは今回、四日市~市原のコンビナート間を結ぶ実貨車を伴う実地検証、中京~北陸間での共同物流シミュレーション、市原~東北間における輸送効率の分析を行い、共同輸送の効果と共同物流プラットフォームの有用性を検証した。結果、実地検証において、トラック積載率20pt改善、CO2排出量28%削減といった顕著な効果が確認できた(発表資料PDF)。