人物画像等の信ぴょう性を高めてフェイクニュースの抑止へ

AI技術開発が急進し、画像編集ソフトが発展している。近ごろ、画像の改ざんや不正使用による偽情報やフェイクニュースがもたらす影響は深刻化している。とくに政治の分野では、市民に発信する情報の真正性の担保は重要課題だ。誤った情報の拡散は、市民生活が脅かされることと同義であり――

今年2月に開催されたミュンヘン安全保障会議では「選挙におけるAIの不正利用に対抗するための技術協定(ミュンヘンアコード)」が発表されるなど、世界では対策が検討され始めているという。TOPPANデジタルは、画像データに出所や編集履歴などの来歴情報と電子透かしを埋め込み、その画像の真正性を確認する実証を平将明衆議院議員(デジタル大臣)の公式サイトで10月11日に開始、これを今月27日まで実施する。

コンテンツの出どころと信ぴょう性を証明するため、同議員の活動実績や顔写真など人物情報が含まれる画像データにC2PA規格に準拠した来歴情報と、アバター管理基盤AVATECT®の当該機能を活用した電子透かしを埋め込む。そしてその埋込精度ならびに画像が二次利用されたケースを想定した検証を行う。画像がネット拡散された後に、情報源や改ざんの有無を確認することの有効性を検証する。  

今回の実証では、上述の仕組みが上記情報源や改ざんの有無を確認する手段として有効であることが確認できた。その一方で、SNSへのアップや特定の加工によって、付与した真正性情報が影響を受ける課題とその原因が明確になったという。同社は2025年度内にコンテンツに対応したAVATECTを提供することを目指し、関連団体と協力しながら、それらの課題解決と真正性技術のさらなる精度アップに向けた研究開発を進める。

選挙に限らず著名人のコンテンツ保護サービスの事業化を進め、正確な情報を正しく取得できる社会の実現に貢献し、フェイクニュースの抑止に寄与することを目標にしている。