ホワイトアウトの発生を予測しデジタルサイネージで即時情報発信

積雪・凍結・吹雪などの影響による事故が多発する。北海道では、冬季に、交通事故件数の増加傾向がみられる。特に大雪や吹雪に伴う視界不良は、冬型事故の主な要因の一つである。当該気象条件は多重衝突事故につながるリスクを、他の事故要因よりも高くしがちだ。

上記傾向を北海道警察本部交通部交通企画課・北海道交通安全協会が記した『吹雪など視界不良時における交通事故の実態』(PDF)を引用しつつ、著しい視界不良による事故が起こった場合、重大な人的・物的被害が発生するだけではなく、長時間にわたって道路が通行止めとなることによる物流の遅延など、地域経済への悪影響も懸念されるという。

日本気象協会AGC北海道月形町は、同町内において、対象地区の気象データを集積・分析することで冬季のホワイトアウト――周囲が白一色となり運転者からは前方の道路や障害物がほとんど視認できない、特に著しい視界不良――の発生を予測し、デジタルサイネージを通じて町民へ、ほぼリアルタイムに情報発信する技術の実証実験を今月2日に開始した。来年3月31日(予定)まで行う。

AGCの窓設置カメラ「ミハルモ™」(関連記事)を、月形町南地区広域集落会館と札比内コミュニティセンターに設置(住所等)し、国道275号の沿線2地区における画像データを取得。それを基に、2地区の視程情報を日本気象協会製AIが15分ごとに5段階で判別する。さらに、当該判別情報と最新気象情報を同協会が独自解析し、1時間ごとに6時間先までの視程を予測する。

上記予測情報を月形町役場と月形町総合体育館に設けたサイネージで表示する。今回の取り組みでは、冬季の交通事故リスク低減、適切な運転計画の支援、大雪や吹雪による被害の低減への貢献が期待されるという。3者は、実証実験の終了時に月形町民へのアンケートを行い、対象区間の道路利用者の運転計画に対する寄与の効果測定を実施する。