生産現場DX、従業員の異常行動・体調をリアルタイム検知し見える化

生産性の向上が社会課題化している。近ごろデジタルトランスフォーメーション(DX)や人工知能(AI)の活用の重要度が一層高まっている、とはいえ、環境整備やAIモデル構築などの初期投資が負担となり、ものづくり現場などにおいては、デジタル化が進んでいないという。

富士ソフトは、そのような課題解決を支援するため、i-PRO社と協業しこれを同社製のAIネットワークカメラにインストールすることで、工場作業者の異常行動を検知するアプリケーション「FABMonitor」を今月2日に発売した。同アプリは、作業抜けなどの異常行動を検知する機能や、作業時間の分析機能を提供する。

AIネットワークカメラで撮影した動画を使用し、正常動作や作業工程の分割タイミングについてPC上でAIモデルを学習。学習したモデルを当該カメラにアップロードし、作業者の動作を解析することで異常行動をリアルタイム検知する。分析機能では、解析結果を収集・可視化し、作業時間のバラつきなどを画面上で確認できる。

「熟練者と初心者の作業手順の比較だけでなく、個人の体調不良の検出も可能」、「作業者の正面や手元が写るようにカメラを設置しなくても、作業者の行動検知が可能」、「動画データよりサイクル・工程分割を自動で行い、導入における期間やコストを低減」、「カメラ上でAIを動作させるため、ハイスペックPCやクラウドの導入コストが不要」といった特長を有する。

FABMonitorは、i-PRO製のAIネットワークカメラに自社で独自開発した行動検知AIを組み合わせたしくみで、工場のDXを支援する。幅広い用途に活用できるアプリケーションであり、今後はi-PROの新製品向けにバージョンアップを行い、作業者の情報の高度な分析データを提供する予定だという。同社は、これからも様々なAI技術を活用し、より多くの顧客の生産性アップに向けて取り組んでいく構えだ。