情報通信
スウェーデンの街並みを日本国内でデジタルツインにする実験に成功
6G(第6世代移動通信方式)がやって来る。新たな時代においては、社会・産業・医療等のしくみを革新する、膨大なデータニーズが想定される。それに対応すべく、物理空間の実体を仮想空間に再現する「デジタルツイン」技術を用い、最適な通信品質をめざす取り組みを進めているという。
ドコモは、NTTならびにエリクソンと推進している6Gに向けた実証実験において、実在する都市をデジタルツイン化し、仮想空間で通信速度などの評価を行う実証実験(デジタルトライアル)を日本国内で初めて実施し、多様なシーンに応じて通信性能をリアルタイムに評価・可視化することに成功した。エリクソンの本社があるスウェーデンの街並みを再現し、通信速度を測定することでデジタルツイン技術の有効性を確認した。
6Gの実証実験で使用する実際の基地局の一部を用いて、信号の送信・受信処理をリアルタイムに行いつつ、デジタルツインで再現された仮想空間の都市における基地局と携帯端末間の電波伝搬チャネルをリアルタイムに計算し、送信信号から受信信号を生成。これにより、6Gの実装置と仮想空間を組み合わせた通信性能評価が可能となる。
仮想空間に建物や道路のデータベースなどを用いて都市を再現し、そこにいる携帯端末を持ったアバターを動かすことで、実際(現実空間)の場所で検証を行わずともリアルタイムに無線性能の評価と可視化ができる。デジタルツインの活用により、将来的には通信性能を仮想空間で高精度に再現し、さらに未来予測をして6Gの性能を最大化することで、顧客の体感品質アップが期待できる。
今後もパートナーを拡大し、各社の強みを活かしたさまざまな取り組みを推し進め、世界的な6Gの標準化や実用化に向けた検討に貢献していくという。同社は、上記成果の一部を25日~29日に開催されるNTT R&D FORUM 2024 ―IOWN INTEGRALにて披露する予定だ。