情報通信
不動産情報のSNS投稿文章作成を生成AIでサポート、80%時短
情報発信・共有手段としてSNSの果たす役割は大きい。不動産業界でも、売主・買主双方から身近で接しやすく、わかりやすいコミュニケーション手段としてSNSへの期待が高まっている。が、多岐にわたる不動産情報をSNSで有効かつ簡潔に表現することは難しい。
同一不動産であっても、各買主の年齢層や家族構成など様々な要件を踏まえて、記載する情報を選択し、関心を持ってもらえるよう表現をアレンジしなければならない。従来、当社ではSNS投稿専門の担当者が、営業担当者の要望を受けて、個別に投稿する文章を作成してきた。そのため、投稿できる物件数にも限界があり、一般的な販促手段としてのSNS活用が困難な状況だったという。
東急リバブルはアルサーガパートナーズと協業して、生成AI(ChatGPT)を活用した業務特化型システムを開発。その第一弾としてSNS投稿文章の作成業務を支援するシステムを構築し、今月より運用を開始した。支援システムはPoC(概念検証)の結果、担当者がゼロベースで作成したものと遜色なく、AI製の文章に担当者が少し修正を加えると利用できることが確認された。
同システムでは、不動産情報の読取・理解からSNS投稿文章の原案作成までを生成AIが担い、それを担当者が修正することで、1件当たり45分の作業時間を10分にまで短縮(約80%の削減)。これにより、SNS投稿件数を4倍程度にまで増大させられる。さらに、アルサーガパートナーズが培った生成AIとシステム開発の技術及び知見によって、生成AIへの指示(プロンプト)をすべてパターン化した選択メニューとする――
専門性の高い属人的業務を汎用的な生成AIシステムによるサポートで一般的な業務へと進化させることも目指す。不動産広告表示に相応しくない表現などは「禁止ワード」として予め登録し、自動的に排除する機能も実装して、広告表示の適正化にも努めていくという。