SDVに必須のモデルベース開発でテスト工程短縮などをサポート

自動運転やEV、つながるクルマの普及により、SDV(ソフトウェア定義ビークル)化が加速している。昨今、車載ソフトウェアは大規模かつ複雑化――。上流工程の設計不備等を早期発見・修正できるモデルベース開発は、SDV搭載用ソフトウェア開発の効率性、柔軟性、品質向上に必須の手法だ。

モデルベース開発支援ツールでは、米国MathWorksの「MATLAB/Simulink」が採用され、自動車メーカーやサプライヤーがMILSやSILSで必要な各種モデルを開発しているが、自動車メーカでの世代管理とサプライヤーからの機能提供では、モデルのバージョン調整が難しく、セキュリティの観点から秘匿化されたモデルも混在していて、新たなシミュレーション環境を構築する必要があったという。

日立ソリューションズは1日、SDVに向けて欠かせないモデルベース開発を支援する「モデルベース開発ソリューション」において、テスト工程短縮と品質向上を支援する「シミュレーション環境同期接続モジュール」最新版の提供を開始した。これにより、異なるバージョンや秘匿化されたモデルであってもMILSやSILSを同期接続させ、統一したシミュレーション環境を新たに構築することなくシミュレーションを実行できる。

クラウド上に構築されたシミュレーション環境でも利用でき、クラウドシフト後の分散開発にも対応可能となる。顧客企業は同モジュールの最新版を利用することで、設計の問題点やリスクを早期に抽出し、工数削減と品質向上を図れるようになり、SDVに向けたフロントローディングを実現できる。

同ソリューションを来年1月開催の「オートモティブワールド2025 第2回SDV EXPO」にて披露する。同社は、今後も車載ソフトウェアの開発を通じて、より安全で快適な人と車が調和するスマートモビリティ社会の実現を支援することでSXに貢献していくという。