情報通信
団地シニアの社会参加をスマホアプリで自動計測、分析・評価し推進へ
従来、健康増進施策の評価方法は、センシングデバイスやアンケートでの計測が一般的だった。デバイスはコストやシニアの操作が課題で、アンケートは回答が主観的であり詳細な定量評価が難しい。一方、スマホアプリは近頃シニア世代の利用率も高まっていて――
この無料アプリによる評価では、コストを抑えつつも自動で定量的な活動量の計測ができるという。日立は、位置情報や歩数データ等から疑似的に社会参加の状態を計測し、シニアの介護予防に向かう背中を押すスマホアプリ「社会参加のすゝめ」(App Store、Google Play)を活用し、UR都市機構が取り組む住民の健康増進施策の効果を検証する実証実験(資料PDF)に参画し、これをサポートする。
同機構の「民間連携事業の拡大・高度化に向けた準備会」プロジェクトにて来年3月まで高津団地で行われる。今回の実証では、参加者の属性や健康増進施策への参加状況などに関する収集了承済みデータについて、プライバシーを担保し自社の計測データと合わせることで、複合的な分析を実現。同実証の推進から分析まで一貫した支援を行う。
日々の社会参加の記録・可視化、社会参加度レポートの配信、ユーザー間のつながり、情報提供コンテンツといったユーザー向け機能を有する上記アプリを用いて、「健康で楽しい暮らし」に資する各種実証への参加者と非参加者、施策の実施前後を比較することで、施策による介護予防および健康増進効果を定量評価する。これにより、同団地および周辺住民の外出や健康を促すための効果的なコンテンツの検討が可能になるという。
同社は今後、各種公共団体との連携を進め、多様な世代が生き生きと暮らし続けられるコミュニティ作りに貢献していく。さらに、国や自治体、様々な業種の企業とともに社会参加を軸としたエコシステムを構築し、誰もが健康的で豊かな生活を創出するための取り組みを推進していく考えだ。