リサイクル原料の来歴や品質確認の履歴など、製品や素材の環境配慮度を可視化する。そして証明・共有することを求めるトレーサビリティやデジタルプロダクトパスポートのニーズが高まっているという。
MCCは、アクリル樹脂リサイクルの供給網を想定し、ブロックチェーンを用いた透明性・信頼性の高いサプライチェーン構築に向けたトレーサビリティシステムの実証試験を実施。複数の企業にわたる同チェーンにおいて、リサイクル原料となる廃プラスチックの種類などの情報を改竄不可能なかたちで適切に管理・共有できることを確認した。
内閣府SIP第3期の課題「サーキュラーエコノミーシステムの構築」で、NIMS主導・ERCA「環境試験・診断・トレーサー技術の確立と産業応用のためのデジタル解析基盤の構築」プロジェクトに参加し、各種評価技術の確立とそこから得られた情報を活用するデジタル基盤構築の両面から、重要課題としてELV(廃車)規則案対応のための自動車部品用途プラスチック再生材の高品質、安定供給が可能なリサイクルシステムの構築に取り組んでいて――
そのノウハウを家電など他分野へも展開しての相乗効果を狙っている。同社は上記試験において、chaintopeと共同し「Tapyrus」にてトレーサビリティシステムを構築した。当該ブロックチェーン技術を用いることで、ケミカルリサイクルかつマスバランス方式を適用するサプライチェーンでも、ポストインダストリー由来、ポストコンシューマー由来、ポストコンシューマーかつ自動車由来といったリサイクル原料各種での強靱かつ透明な管理性を認めた。
それは従来品並みの品質のリサイクル品が得られるケミカルリサイクルの事業化を推進するのに重要な成果だという。三菱ケミカルグループは今後もケミカルリサイクルやトレーサビリティなど社会課題の解決に向けた取り組み/グリーン化への取り組みを推進・加速していく構えだ。