60km強遠隔からのセキュアな手術支援を実証、全国から映像閲覧も

今、地域医療の現場においては、医師の絶対数の不足、地域間や診療科間の偏在などが課題となっている。それらの解決に向け、遠隔手術支援の実現による地域医療格差の是正、次世代を担う医師の育成、医師の業務時間削減の取り組みなどが求められているという。

丸紅OPE×PARK国際医療福祉大学NTT Comは、手術記録システム「OPeDrive」と高セキュリティな通信を実現する「MEC ダイレクト®」を活用し、若手医師の手術を熟練医師がリモートで支援する実証実験に成功した。機微情報である手術映像を高セキュリティな「docomo MEC®」基盤に蓄積することで、教育コンテンツとしてそれらを全国どこからでもセキュアにアクセスし活用可能であることも確認した。

今回、成田病院三田病院を実証フィールドとし、①成田病院の術中を想定した模擬映像を「OPeDrive」に保存し「MEC ダイレクト」を経由して三田病院にいる医師へ伝送、②伝送された映像をもとに三田病院からアドバイスを出し、成田病院の執刀医に遅延なく通じているかを評価、③手術支援の映像を「docomo MEC」に保存し教育コンテンツとして三田病院からセキュリティを担保した状態で閲覧可能か評価した。

その結果、映像伝送の遅延値は500ミリ秒以下であって、手術支援および医療教育として活用できることが確認できた。手術映像を「docomo MEC」基盤上に保存することで、セキュリティを担保した状態で蓄積し、"インターネットを介さず"全国どこからでもセキュアに閲覧ができることも確かに認められたという。

NTT Comは上記実証の成果を基に、全国どこにいても高度な医療技術に触れられる、若手医師や地方の医師の教育推進および希少疾患の治療技術向上に寄与する「医療従事者向け教育プラットフォーム」(術中映像利用について患者の同意が必要)の提供を今月8日に開始した。