自治体DXはユニークな大規模言語モデルを活用して推進する

生産年齢人口の減少や働き方の多様化に直面している。日本の多くの組織では、業務効率や生産性を向上させるツールとして生成AIが注目されている。一方、それを使う際の、情報漏洩や著作権侵害、意図しない機微データの学習利用などのリスクが懸念されているという。


NTT西日本山口県は、自治体における働き方改革推進に向けて、庁内業務への生成AI適用、および機微データを扱う業務へのユニークなLLM即ちNTT版大規模言語モデル「tsuzumi」活用に関する実証実験を開始する。

今回、敷地内の閉ざされたシステム/オンプレミス環境において、小型GPUサーバでtsuzumiを動作させ、庁内の実データ――機微データ取り扱い業務の対応記録の要約・校正や、各種業務マニュアルの検索・要約等――活用を想定した実証を行う。精度アップに向けて業務特化型のチューニング(パラメータ等の調整)を行い、適用性を高め、評価をする。

県では同社と協働して、やまぐちDX推進拠点「Y-BASE」を開設したあと、DXに関する相談対応やコンサルティング、実証実験等、各自治体や企業等への伴走型支援で県内DXを推進している。生成AI分野でも、その利活用による県庁内業務の効率化・高度化に向けて、令和5年度より、Y-BASEのクラウドシステム「Y-Cloud」上に山口県独自の高セキュリティ生成AI利用環境を構築し、システム等の検討を実施――

現在、全庁での本格運用を実施し、上記独自生成AIの利活用の促進に連携して取り組んでいるという。両者は、今般の実証実験の効果を評価し、その結果を基に、tsuzumiを対象業務へ本格的に適用していく。と同時に一層幅広な庁内業務への展開、および県内市町の業務への適用等を検討する。また、同社は、上記結果を受けたさらなる改善により、同LLMを発展させ、西日本エリアの自治体・企業における業務への活用・展開をめざす構えだ。