ネット情報のファクトチェックを多角的なAI分析にてサポートする

生成AIや編集ツールによる偽・誤情報の氾濫が社会問題になっている。そしてその対策技術が注目されている。昨今、ファクトチェック機関や、信頼性の高い情報発信責務を有するマスメディアなどでは、真偽判定ならびに判定結果に係るレポート作成に多大な工数を要し、業務負担が増しているという。

NECは、総務省「インターネット上の偽・誤情報対策技術の開発・実証事業」の採択のもと、AIを活用してインターネット上の情報の真偽を多面的に分析し、ファクトチェックを支援する偽・誤情報分析技術を開発する。同技術は日本ファクトチェックセンターなどのファクトチェック機関や放送局をはじめとするマスメディアにおいて有効性の検証を行い、精度向上を目指す。今般の実証事業は来年3月まで実施する。

複数種類のデータ(テキスト、画像、動画、音声)で構成されるコンテンツが偽・誤情報かどうかをAIで分析するものであり、①画像等が生成・加工されていないかの検知、②複数種類のデータをAIで認識してテキスト化、③同テキストの内容が正しいか、出典がある情報かどうか、データ間の矛盾(テキストと動画の内容の食い違いなど)がないか、などを偽情報分析に特化したLLM(大規模言語モデル)で評価することで真偽を総合的に判定する。

また、ファクトチェック機関の専門家が作成する報告書や記事に近い形式でレポートを作成し、信頼性の低い根拠の削除や、新たな根拠情報の付加など分析者の指示に応じた調整を可能とすることで、ファクトチェック業務の容易化・効率化をサポートする。

同機関やマスメディアで実際に役立つか検証し、精度を上げるなどして実用化する。同技術について、防災をはじめ様々な業界での応用も検討していくという。同社は価値創造モデル「BluStellar」のもと、最先端テクノロジーによりビジネスモデルを変革し、社会課題と顧客の経営課題の解決に貢献していく構えだ。