デジタルツインで施設や設備の管理をリモート化するなどして効率的に

IT(情報技術)の浸透による多様な仕組みの改善や革新をDXと呼ぶ。その基盤としてIoT(モノのインターネット)技術が展開されているところに、近ごろ仮想現実の応用やAIの活用が広がり始めている。

今、製造業界やビルメンテナンス業界などでは、設備管理の効率化と管理コスト削減が重要な課題となっている。日常の施設点検業務で異常が発覚した際、現地でしか適切な対処方法の指示ができないといった問題があり、遠隔リアルタイムで現場状態が分かるIoT技術や、施設を詳細にリモート把握できる3Dデータや対応技術が求められているという。

NSWは2日、施設管理・設備巡回業務の効率化を図る新サービス「ZeugMa」の提供を始めた。これは、上記問題を解決するため、デジタルツイン――インターネットに接続した機器を活用して現実空間の情報を取得し、仮想空間内に現実空間の環境を再現する技術を活用し、施設の状況や環境に関するデータのリアルタイム可視化連携を目的としたものだ。

統合施設管理モニター上で、デジタルツイン化が実現できるソリューション「Matterport」Matterport社製)を組み込み、ウォークスルー・3Dモデルデータ連携を行える。アナログメーターなどの目視巡回点検を簡単にリモート化できるAIサービス「LiLz Gauge」LiLz社製)や、各種IoTセンサー、インフラ監視データなど、異なる情報をシームレスに収集・統合し、施設設備の一元管理を3Dで確認できるという。

新サービスの特長および活用方法として、施設空間のデジタルツイン化により施設へ出向かずに現場確認が可能、IoT技術による設備・機器データの可視化、物理的なインフラとITインフラの統合、災害対応時における現場の正確な被害状況の把握、工場レイアウト変更時などのデジタル上での寸法確認、簡単に入れない場所や防爆エリアの現場把握が挙げられている。