銀行発行のデジタル通貨で環境価値のアセット化と決済取引を開始

いわゆる現金ではなく、ブロックチェーン(分散型台帳)上のデータで管理される。「デジタル通貨」は、キャッシュレス決済の利便性向上、トランザクションの透明性と即時性の実現、運用コストの削減、新規金融サービスの創出を促進する可能性を秘めている。そしてその一種である――

銀行預金をブロックチェーン上でトークン化したこのデジタル通貨は、トークン化預金とも呼ばれ、専用ネットワーク上で発行・送金・償却ができるという。ディーカレットDCPGMOあおぞらネット銀行IIJは、今年7月に本番検証に向けシステムリリースした「DCJPYネットワーク」(関連記事)において、デジタル通貨DCJPYを利用して、環境価値のデジタルアセット化とDCJPYによる決済取引を始めた。

同通貨を発行したGMOあおぞらネット銀行は、今後より一層社会全体のデジタルトランスフォーメーション(DX)が進むことを見据え、預金口座や通貨の新しい形にチャレンジすることを目的にBaaS(Banking as a Service)事業の新たな取組みの一つとしてデジタル通貨DCJPYの発行銀行の役割を担う。

白井データセンターキャンパス(DCC)利用顧客向けに、昨年10月から非化石証書の代理調達サービスを提供しているIIJは今回、ブロックチェーン上で環境価値をデジタルアセット化しDCJPYによる決済取引を開始。これまでのDCCにおける利用に加え、デジタルアセット化した環境価値の二次流通の可能性などを検討し、カーボンニュートラルへの関心の高まりに対応する新しいサービスの提供を目指す。

また、今般の環境価値のほかにも、公募自己募集型デジタル証券やDAOファントークンサービスなど、新たな経済圏の創出に向けて取り組んでいるという。ディーカレットDCPは、DCJPYネットワークの提供を通して、今後も多彩なビジネスのDXに貢献していく構えだ。