日本企業は量的にも質的にもIT人材不足、その解決策は――

IT関連人材の不足が叫ばれて久しい。日本では今、デジタル化や生成AIブームを背景にIT人材の需要が増加傾向にある一方、少子高齢化や人口減少などによって供給される人材は減少傾向にある。そのため、IT人材の不足は、将来ますます深刻化するだろうという。

Gartnerは今月1日、年間売上高500億円以上の日本企業におけるIT人材に関する調査結果を発表した。今回の調査では、4割前後の企業で選択肢に挙げた13種類の人材のいずれもが大いに不足していて、多少の不足まで含めるとそれぞれ8割を超えている。自社に当てはまるもの(複数回答可)を尋ねたところ、「質的な人材不足」は1位で14.5%、3位までに選んだ回答者の合計は31.9%。最多の選択肢となった。

対応策は、中途採用の積極化が第1位で47.3%、次にインターン制度の活用、新卒採用条件の改善は第4位だが約3割に上った。アルムナイ採用 (退職者の再雇用) にも2割強が取り組んでいた。そのほか、働き方改革の促進や福利厚生の充実 、柔軟な報酬体系の導入など、既存人材のエンゲージメント向上による、離職防止に役立つと考えられる回答が並んだ。

人材の定着率やエンゲージメント向上のための施策について選択肢を示し、それぞれの採用状況を尋ねたところ、フレキシブルな勤務時間やリモートワークを採用している割合は半数超だった。副業を解禁している企業が35.5%あり、日本企業における働き方の自由度は、近年相当高くなっていることがうかがえる。

さらに、週休3日制を21.1%が採用していて、12カ月以内に採用予定との回答も18.8%あり、今般の調査結果に限れば、1年後には日本企業の約4割が週休3日制を採用していることになるという。調査に関連する内容は同社の顧客向けサービス、リサーチノート「日本企業のITが直面する問題の調査報告:全方位的な人材難」にて確認できる。