情報通信
SRv6マイクロSIDベースの高速・低遅延通信網へのシフトを完了
基地局とコアネットワークをつなぐIPトランスポートネットワークにおけるセグメントルーティングのことを「SRv6」と呼ぶ。IPアドレス規格第6版(IPv6)を採用した従来ネットワークでは最短経路でのパケット処理が優先され、SRv6においては、パケットにSegment ID(SID)を付与することで――
ネットワークの規模や機能を拡張できるという。楽天モバイルとシスコは7月29日、Segment Routing over IPv6 Micro Segment ID(SRv6 uSID)導入によるモバイルネットワーク・インフラ環境の運用を本格化したと発表した。前者は今回、後者と連携してSRv6 uSIDベースのIPトランスポートネットワークへの世界最大級(シスコ調べ)の移行を完了したことで、日本国内における高速かつ低遅延のオンデマンドサービスの提供が可能となった。
uSIDを採用することにより、さらに綿密かつ効率的にパケット処理を行える。同ネットワークによる堅牢な基盤を活用することで、個人・法人の多様なニーズに応じた柔軟な通信サービスが可能になるという。楽天モバイルは、法人顧客向けの固定系ネットワークサービスとして、超高速インターネット接続サービス「KOSOKU Access」を今年1月から提供している。
同ネットワークにより、ユーザーは24時間365日稼動するネットワークメンテナンスシステムを備えた安全性と信頼性の高いビジネスインフラ環境において、高速通信を利用できるようになる。
今般の両社の連携は、日本の顧客だけでなく、世界の通信業界に向けて革新的なソリューションを提供し、デジタル時代における通信事業者の可能性を広げる展望を示すものだと同社ネットワーク運用本部長がいう。楽天モバイルは今後も多彩なユーザーニーズに応じた通信サービスの提供を目指し、ネットワークの高度化を進めていく考えだ。