技術情報管理をDX、エンジニアリング業務の高度化および事業変革へ

IT(情報技術)の浸透・活用による様々な変革をめざす、歴史ある組織では事業ないし業務におけるより良い仕組み等への転換が進む。現在、その企業では、技術者が利用する各種技術文書や社内データは、オンプレミスのファイルサーバ、書庫、個別PCなどに散在している。そのため――

技術者に係わる工数のうち約70%が技術文書データの確認・探索に割かれ、ミスや非効率を生む温床になっているという。UBEは今、DX推進施策(Smart Factory)の一つとして、技術者の生産性向上を目的とした技術情報管理システムの構築を推進している。

中期経営計画の「基本方針と重点施策」の一つに「DXの推進による企業価値の向上と顧客価値の創出」を掲げていて、「Business Transformation with Digital」を目標に、Smart Factoryを含む10の領域でデジタルトランスフォーメーションを推進している。

同社は、ローカルに散在する電子ファイル、紙媒体の設備・エンジニアリングに関する図書を廃しシステム上に管理されているデータを唯一かつ最新版の図書として活用できるEngineering Document & Data Management System(技術情報管理システム)を構築する。これにより、技術文書データ探索に係る工数を削減し、運転トレンドや設備管理データ、運転管理データなども素早く参照可能とすることで、技術者の生産性を向上させる。

そして今回創出した工数は、設備の予兆保全やプロセス、装置、設備管理計画の改善など、業務の高度化および「事業のスペシャリティ化を推進する人財へのリスキル」にあて、エンジニアリング業務におけるビジネス(プロセス/スタイル/モデル&マインド)の変革を実現するという。同社はこれからも、デジタル技術を活用したビジネス変革によって持続的成長を加速させていく構えだ。