廃棄物処理を見える化するDX基盤で循環型経済に貢献する

循環型社会の形成が求められている。大量生産・大量廃棄による環境負荷の低減のために廃棄物の再利用を促進する仕組みが必要とされている。近年、それに伴い、拡大生産者責任という考え方が広がりをみせている。

産業廃棄物は、運搬や解体、分別・処理に加え、正しい情報の把握や伝達のために管理業務が煩雑化する傾向にあり、処理状況が関係事業者間で適切に把握されていない。さらに、CO2排出量削減には事業者間連携が不可欠といった課題があるという。CTCは6月27日、廃棄物処理を可視化する資源循環プラットフォーム「StateEco」の提供を開始した。

排出や収集運搬、中間処理など各事業者間のデータ連携や業務の効率化を通して、廃棄物の適正処理、共同配送によるドライバー及び運行経路の調整によるコスト削減、原材料としての再利用を促進する。同プラットフォームでは、伊藤忠メタルズ「Smart.i∞」を利用して、産業廃棄物の処理に必要とされる電子マニフェストの申請業務も代行する。

StateEcoのデータと電子マニフェストの連携により入力業務を効率化し、申請~処理完了を迅速化する。また、インテリア系大型商品の配送を行うTriValueが、廃棄物の種類に適した収集・処理事業者とのマッチングを進め、産業廃棄物の管理業務も代行する。サービス提供に先立ち、1年前からR&R協議会の参画企業と廃棄ベッドマットレス処理の可視化に関する実証実験を行ってきた結果――

鉄の抽出量13%増加、収集回数60%削減、運搬時CO2排出量35%削減といった定量効果が得られ、有用性も確認された。今後、AIを活用した経路の最適化や、情報開示につながるレポートの整備などを含めて、StateEcoの機能を拡充していくという。CTCは、製造業を始めとした企業にStateEcoを提供していくことで、サーキュラー・エコノミーへの貢献に努めていく構えだ。