クラウドネイティブのセキュリティ対策、国内市場は2桁増が続く

法人向けIT(情報技術)市場でクラウドシフトが進む。そこで設定ミスや利用ポリシー違反といった人的要因による情報漏洩が起こり、クラウドのサービス/環境を狙ったサイバー攻撃が増えている昨今、クラウドセキュリティの需要が高まり、当該ソリューションの拡充や参入ベンダーの増加もみられるという。

ITRは25日、国内のCNAPP(クラウドネイティブアプリケーション保護プラットフォーム)市場規模推移および予測を発表した。同市場の2022年度の売上金額は175億8,000万円、前年度比21.8%増となった。23年度は同15.5%増の203億円を見込む。同市場のCAGR(22~27年度)は7.9%、27年度には257億円に達するだろうという。

今回の調査におけるCNAPPは、クラウドアプリのセキュリティ確保用フレームワークであり、クラウドの設定や利用状況などを監視するCSPM(クラウドセキュリティポスチャー管理)、クラウド機器・アプリ・仮想マシン等の監視と保護を行うCWPP(クラウドワークロード保護プラットフォーム)、コンテナセキュリティなどのクラウドセキュリティ機能を統合した包括的な製品を指す。

クラウド事業者のサービスを安全に使用するにはCSPMが、そして自社アプリをクラウド環境下で開発保守するにはCWPPが必要となる。「クラウドサービスの普及に伴い、現在はCSPMの利用が増加していますが、今後はクラウド環境においてユーザー企業がアプリケーション開発を行う事例が増えることが予想され、CWPPの機能を包括したCNAPPの市場が拡大するとみています」と同社コンサルティング・フェローの藤俊満氏がコメントしている。

詳細は同社の調査レポート『ITR Market View:エンドポイント/マイクロセグメンテーション/無害化/Web分離/CASB/CNAPP/XDR/ZTNA市場2024』にて確認できる。