日本国内の交通事故死者数は減少を続けている。令和4年には過去最少となる2,610人を記録している。一方で、生活道路における交通事故件数の減少幅はとても小さく、同年には4件に1件が生活道路における事故となっている。
国交省「交通事故の状況」ページに上述の数字及び様子が示されている。当該事故件数のさらなる削減には、生活道路における事故をいかに減少させるかが最重要課題になっているという。ジオテクノロジーズは、自社で保有する人流データとAI技術を組み合わせることで、従来算出が困難だった小規模交差点の事故リスクをも弾き出す「交差点リスク推定モデル」の開発に成功した。
これにより通勤・通学路等に潜む危険な交差点の把握が可能になるという。同社は、上記データからの通行パターンを加味した車両・歩行者の通行量、構造など各交差点の特徴を元に、警察庁の交通事故情報を正解データとして、リスク推定モデルを作成。同庁統計表を基に算出した都市部(事故多/少)、地方都市部(事故多/少)計4エリアにおける推定結果と同情報を比較し精度を検証した。
その結果、危険判定された交差点は115件。全13,787件よりもかなり少ないにも関わらず、その中で実際に事故が発生していた数は70件と高い割合での一致が確認できた。これは、実際に危険な交差点を高い精度で割り出せたことを意味する。かつ、不一致だった45件の交差点においても、事故が起きている交差点と同様の特徴をもった"潜在的に危険な交差点"であることが示せた。
危険な交差点の把握は、安全性の高い代替運輸ルートの提示、ドライバー及び周辺住民への注意喚起、安心安全の向上にむけた道路整備など、事故未然防止プロジェクトへの貢献が期待できるという。同社は今後、対象交差点の範囲を拡張して、信号機あり交差点も含めてリスク推計できるようにモデルを構築――製品化に向けた取り組みを進めていく考えだ。