累計4,200万ダウンロードのアプリをビジネス向けに拡張した。そしてそれにより、防災対策やBCP(事業継続計画)、工場やビルの施設管理、工事現場での作業判断や働き方改革、花火大会やイルミネーションなどのイベント運営など、様々な市場のニーズに対応できる気象情報を提供している。
ウェザーニューズは5月29日、「ウェザーニュース for business」で、「超高解像度モデル」の提供を開始した。同モデルは、ビル風などの局地的な強風を5mメッシュの高解像度で1時間ごとに34時間先まで細かく予測する。風予測は、地上付近から上空150mまで、顧客ニーズに合わせた高さで算出できるという。
同社は2017年から筑波大学計算科学研究センター 日下博幸研究室と共同研究を行い、20年夏に都市気象予測モデルのプロトタイプの運用を始めた。それは市街地や都市部の3次元データを活用した解像度の高さが特徴で、モデルの運用には高度な計算処理能力を必要とする。そこで、自社のクラウド技術を応用することで実用化した都市気象予測モデルを、法人向けに「超高解像度モデル」としてサービス展開する。
今回の新追加モデルでは、建物や周辺環境の情報を含む3次元データを入力し、複雑な市街地の風の流れをシミュレーションしている。ビル風などの局地的な強風は工事現場の足場を崩落させたり、屋外に設営されたテントを吹き飛ばすなどの事故につながる。そのため、このモデルであらかじめ強風のリスクを把握することで、建設作業や不動産管理、屋外イベント開催時の安全対策に役立てられる。
「超高解像度モデル」は、風の他にも、時間や場所によって大きく変化する市街地の日陰やWBGT(暑さ指数)についても実用化に向けた予測と検証を行なっているという。同社は、「超高解像度モデル」のビジネス活用に関心を持っている人からの問い合わせを待っている。